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活動報告会レポート 1
移動サービスのネットワーク化とボランティア

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移動サービスの現状

実施団体が3年間で600も増えたが、利用者に対応できていない。

移動サービスは需要が高いサービス

移動サービスは1990年代の本格的な高齢化社会の到来とともに、高齢者を対象としての福祉サービスとして注目を浴びるようになりました。移動サービスがどんなものなのかを簡単に定義すると、高齢者や障害のある人などの移動が困難の者に対する移動そのものを支援するサービスであり、支援の方法として福祉車両などの自動車を利用している。現在、移動サービスを約2,300団体が行なっていると推定されている(2002年3月東京ハンディキャブ連絡協会調べ)。同じ協会による1998年度に行なわれた調査によると約1,700団体だったことから考えると、この3年間で約600団体が増えたことになるので、それだけ需要が高いサービスだということがわかる。

利用者の需要に応える事ができない現状

しかし、利用したいと思っている人がたくさんいたとしてもそれらすべてに答えていくことができないのも現状である。だからといって移動サービスを行なっている団体を責める訳にはいかない。各団体はそれぞれ移動サービスを自分たちの団体のできる範囲で行なっているので限界があるのである。従って問題なのは、移動サービスを提供して欲しい人たちよりも、移動サービスを提供してくれる人たちの数が少ないということである。つまりボランティアの人数が少ないのである。ボランティアの数を増やすことが一番望ましいことだが、これはすぐに増えるとは限らない。増やすためには移動サービスの知名度を上げていかなければならない。そのためには定期的な意見交換会やシンポジウムや運転講習会の開催などでかなりの時間とお金を費やすことになるだろう。だが、このようなことを実際に行なっていったら団体にとって大きな負担になりかねない、負担になる可能性が高いのでなかなか移動サービスの活動の拡大につながらないのである。

移動サービスのネットワーク化とボランティア

利用者の要望に応えるには、各団体間のネットワーク化とボランティアを増やすことが必要である

利用者のニーズにこたえるには?

では、どうすれば今よりも利用者に答えていくことができるだろうか。その答えは各団体間でのネットワーク化である。各団体間でネットワークを築いて行くことによって、移動サービスを提供してくれる人の数は同じだとしても、サービスを受ける人たちに答えていく力は2倍にも3倍にもなると考える。例えば、Aさんは太白区と青葉区を中心に移動サービスを行なっているT団体の会員になっており、いつも太白区にある自宅から青葉区にある病院までの移動サービスを利用している。ある日、泉区にある孫の通う大学の学園祭に行ってみたいと思いT団体に泉区までの移動サービスをお願いしたがT団体ではその日は他の利用者もいるので青葉区までは乗せていけるが泉区の大学までは乗せていくことができない。このままではAさんは目的地まで行くことができないのである。そこで、T団体はネットワークを生かして泉区と青葉区を中心に移動サービスを行なっているI団体に青葉区から泉区までのAさんの移動サービスを依頼することができれば、Aさんは始めにT団体の移動サービスを利用して自宅から青葉区まで行き、次にI団体の移動サービスを利用して青葉区から目的地に行くことができる。Aさんの行動範囲はネットワーク化のおかげで広がるのである。このような例はネットワークがきちんとできれば可能だと思う。むしろ、例であげたネットワークを市内にかかわらず、県内、もっと広げれば日本全体まで広げることができるのならば、移動困難者であったとしても日本全国どこにでもいけるようになると思う。

ネットワーク化への障害

しかし、ネットワークを作っていくにもいくつもの障害がある。その一つが料金の問題である。料金といってもタクシーなどと比べたらずっと安い料金である。団体は移動サービスを利用するには利用者は会費を払って会員になり、移動サービスを受けた利用時のガソリン代などの実費を払うのである。だが、実費は団体ごとで決め方に違いがある。これではネットワークを利用した場合に利用者は混乱してしまい、使いにくいネットワークになってしまう。できるならすべての団体で統一の料金を設定する必要があると思う。そうすればネットワークを利用して移動サービスを受けたとしても料金に関しては戸惑うことはない。もう一つは利用者とのコミュニケーションの問題だと思う。実際に移動サービスを実施している団体の人に始めのうちは話してくれなくても何回か移動サービスを行なっていくうちにだんだんと話してくれるようになるという話を聞いたことがあったので、ネットワークを利用した場合にいつもの団体と違うので利用者がコミュニケーションをとりにくくなってしまうかもしれない。別に一回ぐらい問題ないと思うかもしれないが、車という空間の中でお互いに言葉を交わすというのは重要なことだと思う。言葉を交わすことによって、お互いにお互いを思う気持ちが強くなると思う。従って、団体間で利用者とのコミュニケーションのとり方を確認しあう必要がある。

移動サービスは人と人との交わり

移動サービスは移動困難者にとってはとっても役に立つサービスだと思う。そして、さらなる発展を遂げるためにはボランティアを増やすこととネットワークを作っていかなければならない。だが忘れてはいけないのは利用者を目的地までただ運ぶだけのサービスではないということだ。移動サービスは人と人の交わりがあってこそ成りえるものだと思う。

東北学院大学教養学部 人間科学専攻2年 葛巻卓朗

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