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取材レポート・NPO法人 NALCみやぎ「けあきの会」

ボランティア活動を支えるもの、それは・・「人と人との触れあい」

東北学院大学2年 葛巻卓朗

NALC宮城「けやきの会」では家事援助や託児から庭の草むしりまで多様なサービスを実施しているが、今回はその中の一つの送迎サービスを中心に話しを聞いた。

いろいろな話を聞く中で、心に一番残っているのは、「活動を行なっていて大変だと感じたことがない、大変だと思うようになり、自分が苦痛になったら活動を辞めるときだ。」である。その言葉に活動に対する熱い想いを感じることができた。このような想いを支えるものは「サービス提供している人たちに当てにされているという責任感のようなものであり、当てにされていると思えるからこそ活動を続けていくことができる」と言う。このような考え方はなかなか言えるものではないし、若い世代が見習わないといけないと思った。サービスを提供しているほうも、当てにされているということで知らずのうちに、自分の体調管理にも気を配るようになったそうだ。そして、人のために役に立ち「ご苦労様」という言葉が返ってくることが何よりうれしいことだと話してくれた。

また、送迎サービスを実施している中で一番気をつけていることは人を乗せているので、普段以上に前後確認などを行い事故に遭わないように注意しているという。知識不足だったのかもしれないが、送迎サービスは車を使用したサービスなので、もし事故に遭ったときの保険は団体として入れるものがあると思っていたが、団体で入っているボランティア保険では送迎サービス以外のボランティア活動には適応することができるが、送迎サービスは含まれていないという。従って、NALCでは送迎サービスに関しては個人個人の任意の自動車保険で補っているということだ。これではサービスを提供する側にもサービスを受ける側にも大きな負担を与えていると感じた。もっとしっかりとした団体で入りやすい、活動の目的に沿った保険があってもいいのではないだろうかと思った。

送迎サービスと聞くと自宅から目的地まで単に利用者を運ぶだけだと思っている人はいないだろうか。実は私もそう思っていた一人であった。確かに送迎サービスはそのような目的に利用するサービスであるので何も悪いことではないと思う。ただし、車という空間の中には人と人の触れ合いがあるということ覚えておいてもらいたい。NALCでは「初めての利用者にはきちんとしたコーディネートを行なっている。コーディネートを行なうことによって利用者の不安を取り除くことができる。最初のうちは話してくれなくても2、3回と送迎を重ねるうちに仲良くなり会話も弾むようになる場合がある」という。若い人にとっては会話をするというのは当たり前でたわいもないことかも知れないが、もし一人暮らしの高齢者だったらどうだろうか。人と触れ合う機会、会話する機会はあるだろうか。こういった送迎の中での人との触れ合いが、また会話が重要なものになってくるのだと思う。このことは送迎だけに関わらずいろいろな活動の場でも言えることだ。

最後に、送迎サービスを実際に実施している方々とお話しすることができたので、サービス提供者の送迎サービスに対する想いや利用者との接し方のような、外から見ているだけでは知ることができない部分を知ることができた。今回の取材をとおして送迎サービスに限らずボランティア活動は人と人との触れ合いの中で成り立つものだと感じた。また、快く取材に協力してくれたNALC「けやきの会」の皆様に感謝したい。

2003年10月24日取材

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